fc2ブログ

 病院臨床に従事する臨床家「ダノン」が仕事、趣味、心理学全般を味わってみます。 それなりにのんべんだらりと書きますが、なんていうか、こころなしかクリニカル。

お気に入り 

当ブログについて 

#1:誹謗・中傷する内容と管理人が判断したものは削除いたします    

#2:リンクフリーですが、相互リンクしたいで、できれば1コメント残してくださいね。

プロフィール 

≪メール≫            danoneo_oアットyahoo.co.jp      ※アット=@変更で

ダノン

Author:ダノン

お仕事:病院臨床に従事する心理士です。  音楽、酒、フットサル、ダイエットを基本とした生活を送っております。  とりあえず、新車が欲すぃ。

最近の記事+コメント 

最近のコメント

最近のトラックバック 

カレンダー 

05 | 2023/06 | 07
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -

月別アーカイブ 

カテゴリー 

ダノンの本棚 

おすすめ MyShop

臨床心理学・精神医学
精神分析系
認知療法・認知行動療法
発達障害関係
診断・尺度・アセスメント
ブリーフセラピー・家族療法・システムズ・アプローチ
統計・研究
 by G-Tools

認知療法・認知行動療法 

認知療法・認知行動療法


認知療法・認知行動療法カウンセリング初級ワークショップ―CBTカウンセリング

いやはや、あっぱれです。CBTを知らずに語ることなかれ。


DVD 認知療法・認知行動療法カウンセリング 初級ワークショップ


認知療法・認知行動療法面接の実際[DVD]

高い…けどいいよ


認知療法実践ガイド基礎から応用まで―ジュディス・ベックの認知療法テキスト

分厚い…でも分かりやすい!


認知行動アプローチと臨床心理学―イギリスに学んだこと

最近のイギリスの動向をしっかり掴みましょう。


統合失調症の認知行動療法

「症状」に注目した認知行動療法の功績


エビデンス臨床心理学―認知行動理論の最前線

認知行動療法を学ぶならこのテキストは必需品


子どもと若者のための認知行動療法ワークブック―上手に考え、気分はスッキリ

分かりやすいが、認知行動療法の体系を知ってからの方がよいのでは

心理臨床本(尼存) 

カウンター 

 

 ネットをうろうろしていたらこんな記事に出会いました。臨床心理士の西脇喜恵子さんという方が投稿者の質問に答えています。


 子ども相談室:やる気見えぬ中2=臨床心理士・西脇喜恵子さん


 投稿内容はイカのようになってます。


 この内容に対して答えているんですが、う~ん… 


 


 ◇Q・やる気見えぬ中2


 中2の男子。幼いころからいろいろ習いごとをさせ、勉強も私(母親)が付きっ切りで教えました。しかし最近は、まったく勉強しません。学校へは通っていますが、塾のプリントはほとんど白紙。習字も硬筆も7段の腕前なのに、字は書きなぐり状態です。当然、成績も悪く、このままでは高校に行けない、将来はフリーターかも、と夜も眠れません。自分からやる気を出して勉強するようになるには、どうすればよいですか。(福岡県・40歳女性)




 西脇さんの返事はイカの通り。


◇A・自分探しの途中かも


 やればできるはずのことをしてくれない息子さん。いくら思春期・反抗期の年ごろだといっても、お母さんとしては「どうして小さいころのように、やる気を出してくれないのかしら」と、もどかしい思いをされていらっしゃるのでしょうね。


 やる気というのは、三つのこだわりが相互に絡み合って出てくる、という説があります。


 一つは、取り組もうとするものの「内容へのこだわり」。日本の歴史をもっと知りたいから社会科の勉強をする。習字が好きだから一生懸命練習するというのがその例です。二つめは「状況へのこだわり」から出てくるやる気です。例えば、先生がほめてくれるから勉強するとか、勉強をすればお小遣いがもらえるからとか、周りの状況に左右されてやる気が出るというものです。もう一つは「自己へのこだわり」。何かに取り組むことによって達成感が得られたり、自分のためになったと思えたりする。それが、やる気を起こさせる--という考え方です。


 相談のお子さんの場合はどうでしょう。小さいころから、お母さんがつきっきりで勉強を教えられたということですが、お子さんとしては「お母さんにほめられたい」一心で、勉強に励んでいたのかもしれません。あるいは、習いごとや勉強も始めたばかりで、楽しさがやる気につながっていたとも考えられるでしょうか。


 でも、ここにきて、それらはやる気を出す動機にならなくなった。かといって「勉強してもっと成績を上げたい」とか「勉強は人のためではなく、自分のためになる」という思いまでは持てない。それが、白紙のプリントやなぐり書きの字に、まさに「やる気のなさ」としてあらわれている可能性はあります。


 でも、落胆しないでください。「何のために勉強するのかわからない」という状態は、少し先のやる気につながることもあるからです。やる気はその時々で、動機も出方も変わっていきます。その過程は自分探しに似ているともいわれます。「自分は何のために塾で勉強するんだろう」という自分への問いかけが、こだわりとなって、やる気に結びつくことも考えられます。


 「フリーターになるのでは」と悩むよりも、お子さんが成長したからこそ、これまでと同じようにいかないのだ、と発想を変えてみてはいかがでしょうか。


 どうなんでしょうか。


 まぁ、そもそもこういった類の質問に対しては一般的な返事しかできないので、それを踏まえて書かれているのだとは思いますが。


 これはこれで意味はあると思うんです。これで気持ちが楽になったり、実際に専門家の言う通りだったりすることもあるわけで。


 ただ、同時に危険でもあると思うんですよね。


 先日、biological factorの重要性 という記事を書いてみました。


 この臨床心理士の方の「見立て」はpsycological factor にのみ注目したようです。


 「自分探しの途中かも」って。。。“アイデンティティの確立”というE.エリクソンの発達課題を耳にした人は多くいると思うのですが、中2なら自分探し中の人少なくないです!


 この一般的な返答が私的にはがっくりなのです。なぜ、この子が不適応状態になったのか。


 このケース、biological factorに関わる見立てを考慮しなくてよいのでしょうか。


 例えば最近は“児童・思春期のうつ”も多く見かけます。もちろん、うつはpsychological factorに関わるものでもありますが、投薬が効果的な場合もあり、biological factorに関わるでしょう。このような見立てが1つ。年齢的にはまだ低いですが、学力低下が著しいのなら、統合失調症の可能性だって否定できません。場合によっては幻覚妄想の確認をし、必要に応じて医療機関を利用することが望ましいでしょう。


 social factorに目を移しますと、対人関係は児童・思春期に関わらず、psychogical な面に大きな影響を与えます。対人関係がうまくいかずにストレスフルな状態になっていて、勉強が手につかないことはないでしょうか。これも1つ。


 他にもいろいろな見立てができると思います。


 少なくとも、一般的な回答にならざるを得ないのなら、様々な視点を提供する必要があるのではないかと思います。bio-psycho-socialの視点に立てば、少なくともそれぞれ1つは見立てを提供することも重要かなと考えました。


 どかなぁ。

スポンサーサイト



2006/08/11 21:53|心理臨床TB:0CM:0

コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する


トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://kokoronashika.blog47.fc2.com/tb.php/76-f4ffa957

お勧め本です 

セラピストの仕事―心理面接の技術
セラピストの仕事―心理面接の技術
精神分析という営み―生きた空間をもとめて
精神分析という営み―生きた空間をもとめて
Cognitive Behavior Therapy for Psychosis: Theory and Practice (The Wiley Series in Clinical Psychology)
Cognitive Behavior Therapy for Psychosis: Theory and Practice (The Wiley Series in Clinical Psychology)
妄想はどのようにして立ち上がるか
妄想はどのようにして立ち上がるか

Blog Ranking  

人気blogランキングへ

いけてるブログ・HP 

臨床心理学・精神医学 

臨床心理学・精神医学


こころの治療薬ハンドブック


精神科面接マニュアル 第2版

予診とるならこんな本


自傷行為―実証的研究と治療指針


臨床面接のすすめ方―初心者のための13章

基本をおさえましょう

精神分析系 

精神分析系


ころんで学ぶ心理療法―初心者のための逆転移入門

イニシャルケースは成功するって?


精神療法家の仕事―面接と面接者

臨床家のメンタルヘルス…


セラピストの仕事―心理面接の技術

まず読むべしです。必ず役立ちます!


心理療法家の言葉の技術―治療的なコミュニケーションをひらく

これは、いいぜ。「言葉」一つで効果的な介入になるか、はたまた抵抗を強めるか

発達障害系 

発達障害関係


高機能自閉症・アスペルガー症候群入門―正しい理解と対応のために




少年A 矯正2500日全記録

心理専門書ではありませんが


軽度発達障害の心理アセスメント―WISC‐3の上手な利用と事例


LDラベルを貼らないで!―学習困難児の可能性

診断・尺度・アセスメント 

診断・尺度・アセスメント


カプラン臨床精神医学テキストDSM‐IV‐TR診断基準の臨床への展開


DSM‐IV‐TRケースブック


DSM‐IV‐TRケースブック「治療編」


心理測定尺度集〈1〉―人間の内面を探る“自己・個人内過程”


心理測定尺度集〈2〉人間と社会のつながりをとらえる“対人関係・価値観”


心理測定尺度集 (3)

ブリーフセラピー・家族療法・システムズ・ 

ブリーフセラピー・家族療法・システムズ・アプローチ


家族内パラドックス


よくわかる!短期療法ガイドブック


事例で学ぶ家族療法・短期療法・物語療法


セラピーをスリムにする!―ブリーフセラピー入門


物語としての家族

読んでらっせー 研究 

統計・研究


数学が苦手な人のための多変量解析ガイド―調査データのまとめかた

これは本当におすすめ!


臨床心理・精神医学のためのSPSSによる統計処理

さぁ使ってみようSPSS


すぐわかる統計用語

あぁ?と思ったら読んでみるといいですよ


グラフィカル多変量解析―AMOS、EQS、CALISによる 目で見る共分散構造分析

これもAMOS使うときにどうぞ


Q&A 心理データ解析

中レベルからハイレベルに


SPSS完全活用法―共分散構造分析(Amos)によるアンケート処理

AMOS使うときの入力から出力の見方に参考になるなる


誰も教えてくれなかった因子分析―数式が絶対に出てこない因子分析入門

字がちっこくて読みづらいけど内容はvery good!

RSS登録用 

Copyright(C) 2006 こころなしかクリニカル All Rights Reserved.
Powered by FC2ブログ. template designed by 遥かなるわらしべ長者への挑戦.