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 病院臨床に従事する臨床家「ダノン」が仕事、趣味、心理学全般を味わってみます。 それなりにのんべんだらりと書きますが、なんていうか、こころなしかクリニカル。

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 あー、連休っていいねぇ。リビングでもずくを食べて書いています。もずくってあたりがいいでしょ?


 ナカータの引退は1週間以上経った今でも余韻を残していますな。


 ナカータについては「続けて欲しい」とか、「男の美学だ」とか様々な反応があるようです。私としては「そもそも中田のワールドカップを巡る一連の言動」が気になっています。


 ところで私なんですが、そーです、変なオジさんです。


 ではなくて、これでも小学校から大学までサッカーを、大学院以降はフットサルをやってきましたので、「さっかー いず まい らいふ」でございます。


 小学校、中学校は大したこともなく、個人的に地域の選抜チームにないったくらいでしたが、高校の時には1年でレギュラーを獲得し、県で強豪校になりました。私自身も広域地域の選抜チームにも選ばれ、チームでも部長をやっていました。


 今では浦和や柏、横浜といったJリーグで活躍する選手たちと実際に身体をぶつけ合って戦ってきました。


 まぁ関係のない話をしてしまったのですが、中学校の時には選抜チームで韮崎に遠征したことがありましたので、中田の故郷の空気を吸っていたことになりますねぇ。




 あくまでマスコミや著書からの情報に過ぎない点を考慮してお読みいただけると幸いです。


 中田選手のすごいところは一貫性だと思います。発言にしても、行動にしても、同じことを繰り返し忠実に行い、人に厳しさを要求する代わりに自分自身にも厳しさを要求する。そういった部分は本当に強い自我をもった方だと思います。


 彼は高校の時からイタリア語を学んでいたようです。そうした明確なビジョンを描いて行動をしていくあたりも彼の長けているところでしょう。


 ところで彼は日本代表に対して一貫して、厳しさを求めてきました。ワールドカップを決め、帰国したときの記者会見では「このチームは本大会で勝ち抜けるだけの力はまだない」と言い切りました。


 彼は厳しく、現実的な視点を提供することでチームに危機感を与え、更なる実力の向上を狙っていたのでしょう。


 時折彼は厳しい言葉を投げかけることに関して「僕が嫌われてチームが強くなるのならそれでいい」といったことをマスコミに漏らしていました。彼としては自分が厳しさを周囲に求め、たとえ嫌われる、煙たい存在であったとしてチームが強くなればいいと考え、「偽悪者」とも思えるような存在でいようとしたのでしょう。


 そんな彼を見て、そしてワールドカップを振り返り、国民の多くは彼の生き方に共感しているような印象を受けます。



 でも、ちょっと待って。


 彼はそうやって振舞っていたようだけど、結果を見れば強くなっていない。ベストパフォーマンスを出せていないじゃない。


 彼はこの先の日本のためにプレーしていたわけじゃないと思います。彼は引退を決めていたのだから、この大会で結果を残したいと思っていたはず。そんな彼の振舞いは果たして望ましかったのか。


 彼の語ることは筋が通っていて、論理的だ。だけど、彼がよく口にする「プロなんだから」という言葉を借りれば、プロなんだから結果が全てなのではないだろうか。


 サッカーは11人だけでなく、スタッフ、サポーターを含めて決着がつく。だから彼一人の力でどうこう出来た問題ではないと思う。でも、少なくとも彼は「俺が嫌われてチームが強くなるのなら」と言っていたのだから、チームに対する影響力を持っていることを自覚し、効力感も持っていたことになる。


 彼は結果を残すために振舞ってきて、結局結果を残せなかったわけで、私はそれを考えると「一貫性」は評価できるけど、「生き方」を賞賛する気にはならない。


 彼は柔軟性を欠いていたのではないか。彼は世界を知っているし、世界的な評価も受けている。それをどうチームに還元するかという段階で彼は適切な術を持たなかったのではないかと思う。


 彼がワールドカップ出場決定を決めて凱旋したときのコメントや、ドイツと引き分けた後でのマルタ戦での一言。チームに対する不満をメディアに発信することは、彼にとってはチームへの危機感をもたらす狙いがあったのだと思うが、そういったことがどれだけ効果的だったか。


 また、彼はどこまでバカになれたか」ということ。はっきりいって、彼の理論に対抗できるだけの選手がどれだけいただろうか。


 これは憶測100%なのだが、彼ほど論理的な人に対して論を対抗できないと、「いいたいことを言え」といわれても学習性無力感のような状態になってしまい、結局「何を言っても通らない」といった状況になってしまわないだろうか。


 彼がブラジル戦の後にセンターサークルに寝そべって涙を浮かべる場面が何度もTVに映される。だけど、私はそれを見る度に「宮本以外の選手は誰も側に行かねーじゃん」と思って寂しくなってしまう。


 結局、彼は信念を持ってやっていたけど、それだけではうまくいかないこともあるのだと思った。


 彼は周囲に、彼のスタンダードに合わせることを望んだ。それは、スタンダードをことあるごとに提示し、危機感を持たせ、各自の意識、彼の言うところの「気持ち」によってレベルを上げてもらおうとした。


 しかし、彼が周囲のレベルに降りて、そこから底上げを図っていくようなやり方の方が短期的には効果的だったのではないかと思う。もちろん、長期的な視点に立てば今回の結果や彼の発言の意味はプラスに変えていける可能性を十分に持っていると思うけど。


 「プロ」であることを周囲に求める彼に、今回の大会についての彼自身の「プロ」としての結果を問いたい。

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2006/07/17 16:58|サッカーTB:0CM:0

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