病院臨床に従事する臨床家「ダノン」が仕事、趣味、心理学全般を味わってみます。 それなりにのんべんだらりと書きますが、なんていうか、こころなしかクリニカル。

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 日頃、生活の中で「ありがとう」と「すみません」の両方を使える場面があります。


 みなさんはどちらを使うでしょう。

 例えば何か、物を取ってもらった時。
「ありがとう」ですか?「すみません」ですか?

 「ありがとう」は相手に対する感謝。
他者の行動に対して目が向いている。ベクトルは外側に。

 一方、「すみません」は自分ができなかったということ、
つまり、迷惑をかけたことへの謝罪を示す。どちらかといえば
自分に目が向いている。ベクトルは内側に。

 どちらとも、相手との間の位置関係を変化させる「ことば」。

 例えば「ありがとう」は他者を上げることを意味し、
「すみません」は自分を低めることで他者の位置を相対的に
上げることを意味する。

 相手を上げるか、自分を低くおくか。

 そう考えると、私は自分の位置を低める必要は
ないかなって思う。相手への感謝をただ、そのままに。

 「ありがとう」

 心理臨床家と自負する私は、「ことば」に敏感であるべき
と自分を戒めている。

 子どもを「授かる」から「作る」に変化した現代に
虐待がエスカレートしているじゃないか。

 「ことばは心を超えない」とチャゲアスは歌っていたな(古!)。
でも、ことばは心を如実に表すよ。

 「させてもらった」と「してあげた」でも相当違うように
「ことば」には力がある。

臨床家がケースを検討する際に「~させる」と使うときがある。
「させる」ということばは相手の能動性を軽んじているようにも
思われる。治療者側が無意識に外側から「変える」ことを意味し
ているように思える。心理療法の目的を問われて、「自分自身が
変わるのを促す」とか口では言っていても、だ。

 「ことば」はその人のあり方、姿勢を示すときがある。

 そうすると、私は「ことば」の「影響力」「伝達力」に敏感で
いざるを得ないのだ。

 「ことば」には力がある。

 なんでこんな話になったんだっけ?

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2006/02/16 22:11|ぐだぐだTB:0CM:2

コメント

本当に『ことば』のパワーはすごいと思います。
始めまして。
今日始めて、《臨床心理士になりたい人のためのサイト》に登録させてもらったら、こちらのブログの紹介を発見したので、ちょっとお邪魔しました。私は、今とても臨床心理士に興味を持ってて、資格も可能なら取りたいと思っています。まだまだ、未知数で未熟者ですけど、よろしくお願いします。
私も言葉ってすごくその場面場面で大切だなぁって、いつも思います。
私の場合は、どちらかというと、『ありがとう』の方だと思います。でも、知らず知らず『すみません』て、無意識に使っている時もあって、そんなときは、少~し自分の気持ちの弱っている時かなという気もします。素直に感じたままを表現することって大事ですよね・・
Yumin #-|2006/02/19(日) 16:26 [ 編集 ]

はじめまして
 ダノンです!

 Yuminさん、はじめまして。私のblogの初カキコです。どーも。

 臨床心理士の資格取得を目指していらっしゃるとのことですね。参考になるかはわかりませんが、当blogをどうぞよろしくお願いします。

>知らず知らず『すみません』て、無意識に使っている時もあって、そんなときは、少~し自分の気持ちの弱っている時かなという気もします。

 うぅん!いいっすね。自分の発する「ことば」を自分の状態のバロメーターにするというのは自分に耳を澄ます有効な方法だとおもいます。

 臨床家は絶えず自分の状態をモニタリングする必要があり、ことばを発する前に自分の中で自分の状態を吟味できればベターですが、自分の言動から自分を知ることも重要だと思います。

 っとちょっと蛇足でしたが、
さらに蛇足します。

>素直に感じたままを表現することって大事ですよね・・

 素直に感じたままを表現するできるということは非常に大切なことだと思います。子どもの頃はあたり前のことだったのに、大人になるとトレーニングが必要になってくるのかななんて思ったりします。おもしろいですねぇ。

 とにもかくにも、末永くよろしくお願いいたします。
ダノン #vqgsHqYA|2006/02/20(月) 21:45 [ 編集 ]

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